舩山 博貴 「心が豊かになる、みんなの会社作り」
私は、会津屋で4代目社長を務めています。
前社長であった父から、社長継承の話をもらったのは私が30歳を迎えた頃。まだまだ現場で頑張るつもりでしたし、予想していたよりも早いタイミングでの継承となりました。
「社長として何かを」と、私を主語にして考えると、いつも胸が詰まるんです。
経営の在り方として腹落ちしたのは、「会社はみんなのためにある」ということ。会社は船山家のものでは決してなく、社員もいて、お客様もいてはじめて成り立つもの。
「みんなの会社作り」を掲げて、これまでトップダウン型の経営から、皆さんとの調和に重きを置くボトムアップ型のマネジメントにシフトしていきました。
会社全体が良い雰囲気で仕事をできるようにするために、根本に置いているのが信頼関係の構築。
仕事ができることも大事ですが、会津屋ではプライベートなことも話せるような関係性作りを心がけています。家族構成や休日の過ごし方、子どもさんの話などテーマは多岐に渡ります。
10代の若手から70代の方まで働いている職場環境で、働くみんながどんな人間性で、どんな人生を生きているのかを知ることができることで、サポートし合えるような会社作りに繋がるのではないかと思います。
ご体調が優れなかったり、ご家庭の事情で仕事をするのが難しかったりするときに、その人の状況を知っているからこそ助け合える。
休むことが必要な際に、安心して別のメンバーに任せることができる。助けてもらって、今度は誰かが困った際にサポートに入る。そんな関係性を築くことが、良い仕事を生み出す根幹になると考えます。
会津屋が実現したいのは「人の心を豊かにする」こと。私たちだからこそできる、心からのありがとうを伝えられるお葬式を作りたいです。
故人様との思い出を思い返せる時間を取り、どういった人生を歩まれて、どういう気持ちでお見送りをしたいのか。ご家族様が、故人様への想いを大切に込めて、心からのありがとうを伝える。そんな時間と空間を持つことで、お客様の心がより豊かになるお手伝いができればと思います。
お線香のご購入の際も、会津屋では「どんな用途で、どなた向けのものですか?その方とはどのような関係性で、どのような思いでがお有りなのですか?」とお客様にお話かけるようにしています。
ただの仏具購入ではなく、会津屋を通じて供養を行う際には、故人様との思い出を思い返すきっかけになる。故人様との記憶を大切にしながら、供養できることが心の豊かさに繋がるのではないでしょうか。
これからも、会津屋を船山家で代々継いでいくことはあまり考えておりません。
誰が経営者になっても大丈夫な会社作りを目指しながら育成をし、スタッフが更に自由度と責任を持って働いてほしい。みんなが自由に楽しく働き続けることができて、各々が独立・自立していく在り方こそが「みんなの会社作り」。
会津屋がお客様や社会から、これからも必要とされる会社でいられますように、心が豊かになる瞬間をたくさん紡いで参ります。