
そもそも「おとき」とは?
おとき(お斎)とは、法要のあとに施主がお寺さんや葬儀参列の方へ感謝の思いを伝えながら、故人を偲ぶために設ける会食のことで、「精進落とし」とも呼ばれます。
かつて葬儀にかかわった人は四十九日がすぎるまで肉や魚を食べることを絶っていたことから、もともとは精進料理が食べられていましたが、現在では食生活や文化の多様化、御膳や折り詰めといった形式の広がりもあり、提供される料理も種類豊富となりました。
とくに家族葬などで「らしさ」を大切にする場合は、「故人が大好きだった一品」を食べることもめずらしくありません。
一般的な葬儀の流れ
故人が亡くなると、お通夜、火葬、告別式(葬儀)という流れが一般的です。
自治体への届出、葬儀社への連絡と打ち合わせ、参列を済ませてから、おときとなります。

新潟ならではの流れ

新潟県の一部地域では、告別式(葬儀)の前に火葬を行う「前火葬」「骨葬」という形式を取る場合もあります。
現在のようにご遺体の状態を保てなかった時代、遠方で亡くなられた方をご自宅までお連れしてから葬儀となるため、火葬を先に行う配慮から生まれた風習ともいわれています。
通夜振る舞い
お通夜の後に開かれる、故人へのご供養と訪れた方への感謝を込めた会食の席です。
喪主が弔問客に感謝を伝えつつ、故人の思い出話などをしながらお酒をお酌して回ります。
関東一円では、料理に箸をつける程度で早々に退席するのがマナーとされていますが、新潟では会食後の喪主の挨拶が終わるまで着席し、故人を偲びながら落ち着いてすごすのがよいとされています。
服装は葬儀同様に喪服が正式となりますが、故人を思い、遺族に配慮した心を表すことが大切です。
仕事帰りや急な報せを受けた時などは、ダークな色合いのスーツやワンピースなど平服で参列しても構いません。
施主の心構え
法要後のおときを支度する際、施主側は設えを把握しておきましょう。
会食費用の目安は、1人およそ3,000円から6,000円といわれます。
このほか、返礼品代会場使用料、その他の諸経費がかかります。
家族や近親者のみで執り行う葬儀や、形式にとらわれないお弔いなど多様化が進んでいますので、施主側だけで悩んだり慌てたりせず、地域事情や時節にあった知見に富む葬儀社に頼り、安心して相談、打ち合わせを行いましょう。 ➡︎にいがたのお葬式
供養することの意味
葬儀でのお見送りや法要、日々の合掌、お参りなど「供養」として行われる一連の営みは、故人や先祖の冥福を願うことにつながります。
花を手向け、香を焚き、旅立っていってしまった人へ善を送ることを「追善」といい、遺族にとっても大切な時間となります。
葬儀後のおときは、施主が感謝を伝える会食であると同時に、集まった人が故人を思い出したり、思い出話をしたり、ありし日の記憶を共有することで大切な人を供養しながら、今一度遺された人同士の間柄に思いを寄せる縁にあふれた時間ですね。
「故人を偲ぶ」というのは、生きる/生きているということを顧みる瞬間です。形とらわれすぎずに、いろんな思いを通わせたいですね。




